オリジナルパーツ

シルビア180SX

SR20DET

遠い昔、リオがまだ西広島バイパス沿いにあった頃、

某・・・とても勢いのあるイケメン長身の男性がやって来ました。

地元では有名なドリフトのチームのリーダーらしく、

当時の常連さんのご紹介だったのですが、

来店していきなりの親近感モード、

「俺と仲がいいだろ?」みたいな・・・、

「すごいのが来たなぁ・・・」と思いました。

しかし、その彼を見ていて感心したのは、

仲間や、彼を慕う人がとても多かったことです。

好かれるキャラで、特別な何かを持っている感じです。

後に、広島を旅立ち

今やレースの世界で、谷口信輝と言えば知らない人はいない

著名な存在になりました。

当時、大切にしていたシルビアS14は、

純正タービンのブーストアップ仕様で、

エアフロも純正のまま、

コンピューターはプログラムが変更された社外品、

(内容によって事前に書き換えられ送られてくるタイプ)

それなりに速かったのですが、

後に拠点を関東に移した際、

埼玉県のヤシオファクトリーがチューンの行うようになり、

劇的にパワーやトルクが上がり、扱いやすくなりました。

諸々の部品交換はあったものの、

最も重要なアイテムはコンピューターだったのです。

この事実はすぐにこちらへ伝えられました。

「コンピューター、やらなきゃダメだよ。まるで違う!」

電話がありました。(当時はlineなどありませんでしたので)

実はコンピューターのプログラム変更については

その必要性を認識しつつあった時期でした。

いろいろな部品を取り付け、交換しても

それらの性能を高く発揮できなければ意味がありません。

しかし、その操作や過程には教科書のような便利は情報源はなく、

苦難の試行錯誤は安易に予想され、

目的地に到着できる確信もありません。

それらを説明すると、

「大丈夫!俺がヤシオファクトリーの岡村さんに頼んだから!」

頼んだ・・・・?

すでに頼んだ・・・・。

ヤシオファクトリーの岡村さんと言えば、

当時、オプションビデオで有名な怖い人です。

「このやろー!」と言いながら蹴る人・・・・。

「でね、日程だけど、今度の〇〇日に東京の・・・・」

日程まで決まっていました。

蹴られる・・・。

よく分からないけど蹴られるに違いない・・・。

ですが、日程まで決まり、

後にこれがとてもありがたい転機であると分かるのですが、

めったに広島から出ない田舎者が東京まででかけました。

そして初対面の当日、岡村さんはめちゃくちゃ優しく、

エンジンのセッティングについてとても興味深い話を

山盛り聞くことができました。

そして、コンピューターのプログラムを書き換え、

車両情報を集めるための機材についても説明がありました。

長野県のネコ・コーポレーション製のデーターロガーと

ロムの書き換えツール一式、

空燃比計他、

自分にはなかなかの金額でしたが、

この機会を逃せば次は無いに違いない・・・・

危ない宗教の水晶玉を買うわけではなく、

導入を即断しました。

このデーターロガーやロムについては、

また、どこかで書いてみようと思います。

ヤシオファクトリーの岡村さんの話で

今でも鮮明に覚えているのが、

SR20DETの空燃比についての体験談です。

シルビアに搭載されているSR20DETエンジンは

アルミが使用されています。

それまでのシルビアのエンジン(1800cc/CA18DET)は鉄だったので、

アルミは鉄よりも弱い・・・との考え方から、

当初は、「弱くなった!」とする見解が強いかったそうです。

そこで、使用する空気に対して燃料を多く設定し、

燃焼に使われず余ったガソリンが気化する際に熱を奪う

ガス冷却を多く使う方法により

高熱からエンジンを守る手法が主流でしたが、

燃焼温度が下がることで

パワーと燃費は下がってしまいます。

「それほど速くない・・・」

おそらく空気に対しての燃料の比率を下げれば

もっと速く走れそうな予感がしても、

壊してしまっては意味がありません。

岡村さんは、どのくらいの空燃比でSR20DETが壊れるのか、

それについて誰も答えられないことから

ある日、サーキットに数台のシルビアを積載車で持ち込み

「よし!今日はエンジンを壊すよー!!!」と

走行しては、空燃比と点火時期をプログラムで調整し、

どこまで薄くしたら壊れるのか・・・耐久性の実験を行ったのです。

結果・・・・どんどん薄くしても壊れない・・・。

何周走っても壊れない・・・・。

しかし、あまりに薄いと遅くなったそうです。

エンジンはガソリンが燃焼して力を得ますから、

ガソリンが減りすぎるとパワーは落ちます。

「誰だ?!薄くしたら壊れる!とか言ったの?」

ヤシオファクトリー流が大きく変革した瞬間でした。

そして、自分の場合、

それらの貴重なデーターをお酒の席で頂くことが多く、

とても近道させてもらっています。

相当ずるいです!

そんな岡村さんから、最近、

「あのね、ちょっと教えてくれる?」と電話があります。

岡村さんから教えてもらうことはたくさんありますが、

自分から岡村さんへ教えるなんて・・・といつも思うのですが、

それぞれの得意なところや、ちょっとした経験や、

そして、誰かと話しているとふと気がつくこととか、

「あ、そうか?!それ、まだ試してないなぁ・・・!」

会話が終わった後、経過がどうなったのか不明なことが多いのですが、

何だかお役にたっている可能性があります。

同じ機材で、同じ車両を調整しても、

それぞれに個性は出てくるものです。

 

以下、部品と内容についてご説明したいと思います。

 

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