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ブレーキ3

もう3か月くらい前の続き・・・

ブレーキの話です。

 

ブレーキペダルの踏力を油圧でブレーキキャリパーに伝える液体が

ブレーキフルードで、最も重要な性質一つが高い沸点です。

ブレーキは、パットとローター間の摩擦で制動力を得る構造から

摩擦熱は確実に発生しますが、

特にドラムブレーキには、熱が貯まりやすい構造上の問題があり、

ブレーキフルードの温度を上げ

フルードが液体から気体に変化する沸点を超えると

沸騰し泡立ち気体化しブレーキに必要な圧力の伝達ができず

べーパーロック現象を発生させます。

体験する機会は少ないですが

サーキット走行会などでブレーキフルードを古い状態や

通常のストリート用を使うと、

楽しくて何周も何周も走っているうちに、

ブレーキペダルに反力が無くなり、いきなりフロアまで沈み

最大級の恐怖を経験する事があります。 (体験談)

サーキットでは、そのような時の危機回避のために、

コースの外にグラベルと呼ばれる避難ゾーンがありますが、

一般道、特に山道の下りでブレーキペダルがフワフワになったら

↑ここが必要になります。

ですが、最近はブレーキ性能が上がり

ほとんど見なくなりました。

もし、緊急でここを利用した際

車輛が大きな損害を受けるのは間違いないでしょう・・・・。

 

このフルードですが

性能を表すための規格があります。

DOT5 とか DOT4 とか DOT3は、

これは沸点と粘度を表していますが

主には沸点です。

単純にはこの数値が高いほど

激しい走行で発生する温度に耐える能力が高いです。

しかし、「DOT5は使ってはダメです!」は、

最近でも意外と耳にする言葉ですが、

いろいろな情報は混じりますが、

リオでは、DOT5を推奨しています。

 

ずっと昔、高い沸点を実現するため

DOT5規格のフルードでは、

成分にシリコンを採用した製品がとても多かったのですが、

シリコンには沸点では激しい運転での摩擦熱に対する性能はあっても

水と一切混ざらないため、

大気中の水分が微妙にフルードに混ざった際、

油(正確にはフルードは油ではありませんが・・・)より重たい水は、

スルスルとキャリパーまで落ち、

フルードの沸点が200℃以上であっても

水の沸点の100℃で簡単に沸騰し

べーパーロック現象を発生させる可能性があります。

そして、こちらがより危険な性質ですが、

シリコン成分は、ゴム類への攻撃性が強く、

モータースポーツでは常識的な

レースなどのサーキット走行の都度にブレーキシールなどを交換する

短期メンテナンスが前提では

沸点の高さが優先されこの性質によるリスクは低いのですが、

長期間での一般的な使用方法では、

シール類がいきなり破砕し、

走行中にブレーキがまったく効かなくなる現象が発生するリスクがあります。

「しばらく乗らない」を前提に自動車税等の節約からナンバーを外し

登録していない状態で数年経過したロードスターを復帰させるため

積載車でオーナーさんのご自宅に伺った際、

ブレーキもクラッチも床まで手ごたえ無しで踏み切ってしまう状態で

傾斜を利用して、人力で積載車に載せたのですが

リオまで搬送後、リフトでクラッチとブレーキのマスター関係を分解すると

ゴムがバラバラになっていました。

それまでメンテナンスしていたショップさんが

モータースポーツ前提でシリコン系のフルードを

ブレーキにもクラッチにも使用していたらしく、

保管場所までは正常に運転できていたロードスターですが

長期保管でゴムが破砕した事が先の現象の原因だったようです。

ブレーキはともかくとして

沸点の上がらないクラッチフルードにだけでもグリコール系使用であれば

クラッチだけでも通常使用できたハズです。

しかし、これは実はとても危ない現象で

この段階でゴム類が破砕していなければ、

痛んだ状態で、車両にナンバーが復帰し走行できるようになった後、

突然、ブレーキやクラッチが機能を失い

事故の危険リスクが高くなっていた可能性があります。

この車両は、ブレーキ、クラッチ関係のゴム類は、

キャリパーに至るまで、すべてリニューアルされ性能が復帰しました。

 

「DOT5は使ってはダメです!」について

時代は流れ、

今やグリコール系の成分でもDOT5の規格をクリアできるようになり

最初の沸点の高いDOT5の方が長持ちするようなケースもあり

こちらでは、DOT5を主に使用しています。

 

ブレーキ関係のお話は、

他にもたくさんあるので

またの機会に・・・

 

 

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