オリジナルのFPCMはマイコン制御のため、
ソフトでの機能の追加や変更が簡単にできるメリットがあり、
以下の機能の追加が可能になりました。
4.エンジン始動時での2.5秒の100%起動から入力信号での減衰動作
5.バッテリー電圧の常時モニター
6.電圧低下の検知でバイパスリレー動作での100%直結
7.正常動作の確認時、通常動作に復帰
早速、数台のスカイラインGTRでテストを実施したところ、
半数以上で始動に必要なセルモーターの動作時間が短縮されました。
電気消費の大きいセルモーターは、
動作によって車輛の電圧が10V以下になってしまう事がありますが、
そのような電力不足の状態でも、
純正のFPCMはデューティー制御で燃料ポンプへの電気抑制を行うため、
電力不足に加えての電気制御のため燃料ポンプのパワー不足を発生します。
そのため、エンジン始動に必要な燃圧確保の遅れが
始動までの時間を長くしているわけです。
このような燃料不足での始動不良は
着火できないガソリンをプラグの電極に付着させ
「かぶる」という状態を発生させる事もあり、
新しいプラグに交換しないと再始動できない場合や
燃焼室に溜まったガソリンによるシリンダー内壁の油膜の希釈で
オイルの皮膜を弱らせ、金属表面に傷を入れるリスクもあります。
オリジナルのFPCMでは、
始動時は常時、
それ以外でも電圧のモニターでの一定より低い電圧では、
リレー回路で制御をバイパスし、
バッテリー電圧をそのまま供給する方式を採用しています。
始動時はリレー回路で燃料ポンプを2.5秒動作させ、
電圧の安定が確認されると
ゆっくりとデューティー制御を復帰させるようになっています。
急激な切り替えでは、
想定外の逆方向への大きな電気(逆起電力)を発生させ
電子部品へのリスクを高めます。
「ゆっくり」は、このような場合ではとても重要な動作です。
常時稼働の電圧モニターの機能は
それ以外でのトラブル等で電圧が下がった場合も同様に
リレー回路で電気を燃料ポンプに直接与えるようになっています。
(続きます)