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あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

昨年中はたいへんお世話になりました。

本年もよろしくお願いいたします。

 

12月30日~1月5日まで

例年よりも休んでしまいました。

昨年の年末年始は発熱と倦怠感で

違う意味で休むしか無かったのですが、

それ以前では、

思い浮かぶ仕事に携わってしまい、

気がつけば年越しを店舗で、

そのままお正月も店舗で迎え

1月2日恒例の地域イベントなどで店舗、

気がつけば2日間くらい自宅に帰り、

再び店舗に出勤し、年始の仕事をスタートでしたが、

今年は、

12月30日には帰宅し、

1月2日の地域集会への参加以外では自宅でした。

ずっと健康だったし、超珍しい年末年始。

 

お正月番組での恒例、

芸能人格付けチェック2025年は

やはり最高でした。

これを観ていると

「年を越せたんだなぁ・・・」と幸せな気分になります。

ガクトはすごさには感動です。

大谷翔平と並ぶ日本の代表的人物だと思います。

 

番組中に特に印象の強かった一つ

海老チリ、チャーハン、餃子 の食べ比べ

ミシュランの中華店

所沢の町中華店

そして、

絶対あかんシェフの浜田作

YouTubeを見て作った

選ぶと2ランク落ちる素人中華。

しかし、毎年、これを選ぶ芸能人は多いのです。

 

テレビの映像を観ながら

「一流を選べるのか・・・?」

「一度、体験してみたい」

そう思ったのは、

たぶん自分だけでは無いと思われますが

そんな中、

なんとセブンイレブンから

「浜田中華」が数量限定で発売される案内があり、

番組終了後、すぐ購入に動きました・・・・

ですが、完売。

そこで、セブンイレブン巡りが始まり、

ついに、エビチリ炒飯を発見。

4つ、まとめ買いして、家族で食したのですが

 

超おいしい!

 

これを目隠し状態でほんの少し食べたら

絶対選びそう。

すごい戦略ですね。

ミシュラン中華であれば

お弁当での再現が難しいだけでなく

「期待したほどでは・・・」とか偉そうに言ってしまいそうですが

「浜田の中華」です。

格付けで見破れるほど美味しくない想定が基本ですから

おいしく感じてしまいそうです。

食べる事で、テレビイベントに仲間入りした感もあり

・・・・・

一流の商売戦略を見た気持ちになりました。

 

 

いいお正月でした。

日産部品の高騰

日産の部品の一部が激しく高騰しています。

9万円のクラッチペダルが66万円とか・・・。

価格変更の一覧をざっと見てみると

使用頻度が低い部品名が多いみたいです。

 

RB26DETTで多い事例、

6連スロットル部のガスケットの吹き抜けです。

純正は紙ガスケットのため、

長期使用での経年劣化で硬化した後に割れ、

ブースト圧で部分的に外側に吹き飛び

↑ガスケットの無い箇所が通路のようになってしまいます。

アイドリング時でのの負圧では空気を吸い、

そのシリンダーだけ空燃比が高く(空気が薄い状態です)

程度によっては燃焼不能に至り

インプレッサなどのボクサーエンジン音が発生する事もあります。

ドドドドドド・・・の排気音です。

インプレッサでの「ドドド」は、

水平対向エンジンでのタービンが右側に寄っているため

エキマニの集合部までの距離が異なる事で発生する不整脈の正常音ですが

(「不整脈の正常」ってなんだ・・・?!)

RB26DETTでは、一気筒が不完全による異常音です。

スムーズさは失われ燃費は悪化し、

とても不愉快な状態になります。

この状態では、アイドリング中に

可燃物であるパーツクリーナーをスロットル周辺に吹き付けると

アイドリングが上がりガスケットの損傷は確実になる

とても野蛮な確認方法があります。

ガスケット交換には、スロットル関係はすべて取り外す工程が必要ですが

その際に見えるのがガスケット下の部品類の数々です。

そして、高い確率で始まるのがそれらの部品交換です。

目視で分かる劣化、オイル漏れ、そして錆、

↓は、それらの1つ

エンジンブロックからの冷却水関連のパイプです。

左が長期使用済み、右が新品です。

折れた事例もありますが、

先端部からの水漏れや、ホース抜けが多いです。

↑の部品の価格変遷ですが、

BCNR33、こちらの伝票上では、

(画像はBNR32です)

2018年6月  ¥2,480

2021年4月  ¥3,160

2022年10月 ¥3,220

現在       ¥6,440

 

こちらはエンジン前側、ウォーターポンプ背面

2018年6月   ¥1,580

2021年2月   ¥1,660

2021年8月   ¥1,830

2022年5月   ¥17,200

2022年10月  ¥17,500

現在        ¥17,500

 

2021年から2022年での値上がりは顕著ですが

今回の日産からの価格改定の情報での

シルビアのバッテリーブラケット。

6416053F00

それまでの¥26,600が・・・・

改定後は¥302,000・・・・

税抜きです!

 

製造工程での何らかのコスト事情の違い・・・と思ったのですが、

高騰している部品のほとんどが

消耗度と使用頻度の低い部品である事から

おそらく、

日産が売りたくない事が理由ではないでしょうか?!

売り切ってしまうと新たに作る必要があるものの

消耗度の低い部品では、

大手メーカーでありがちなコストとシステム上の事情から

「作る時は大量」であるため

売れない在庫が増え

資産が増える事での課税の問題も発生し

保管場所の費用も大きく、

しかし、生産中止にするとクレームが出たり手続も面倒・・・

そこで、考えたのが、激しく値段を上げて購入に対して壁を作り

売らない事による完売の防止、

少数での在庫の確保

これが異常な高騰な理由の予感がします。

消耗度の高い部品も価格は上がると思いますが

それは別枠の気がします。

願望が入っていますが・・・・。

カレンダー2025

来年のカレンダーができました!

と、偉そうに書いていますが、

リオマガジンのような自作ではなく

HKSのカレンダーにリオのロゴが入っただけです。

つまり・・・

恒例の表現ですが

「鬼舞辻無惨に血をもらった鬼」状態。

ご参考まで1月2月の画像です。

常連の皆さま

ご来店の際には是非、お持ち帰りくださいませ。

遠方でご来店の難しい皆さま

ご希望の方はご一報くださいませ。

発送させて頂きます。

 

よろしくお願いいたします。

ラーメンついて語る

ラーメン大好きです。

豚骨のこってり系。

分かっているんです・・・・、

カロリー、塩分、糖分の過多で

体重もコレステロールも血圧も管理しなくてはならない現状で

控えるべきなのは・・・・。

 

でも・・・

以前よりは頻度は減っているのです。

ですが、

この類の「言い訳」が始まると危険です。

太っている事を指摘された際、

「少し前はもっと太っていたけど今は少し減った・・・」は、

ダイエットに成功している架空の過程か

ほんの一瞬の努力を表現しているだけで

何の意味もない安易に使用できる説明なのです。 (自覚から)

だから、ラーメンの頻度がピークよりは下がったも当然NG、

ですが・・・

 

その日、欲望に負けて

何度か行った事のある博多ラーメンのお店に行きました。

ラーメンと餃子とミニチャーハンのセットメニューがお得で最高、

そこでのいつものオーダーです。

テーブルにあるタッチパネルでセットメニューをタッチし、

その後、メインのラーメンを選ぶのですが

ここで、「食べすぎじゃない?」と

今更の軌道修正案が浮かびました。

止めよう!

ラーメンだけにしよう!

その代わり、味玉とチャーシューのトッピングを加えよう!

餃子とミニチャーハンは中止だ!

味玉+チャーシュー<餃子+ミニチャーハン の図式です。

豚骨ラーメンに味玉とチャーシューを追加!

オーダーを確定しました。

↑参考画像です。

注文したのは、

上記のラーメンに味玉とチャーシュー追加のゴージャスバージョン。

 

「食ってんじゃん!」

と言われると、その通りですが

小さな節制をした事にして、

そして、運ばれて来たラーメン、

期待を裏切らないその美味。

ですが、少しだけ気になる事がありました。

店員さんのテーブルからの去り際

 

「・・・・・お待ちください・・・」

 

何か言っていたような・・・・。

なぜ、ラーメンを運んでの後に「お待ち・・・」?

そして数分後、

餃子とミニチャーハンが運ばれてきました。

・・・・・・

どうやら、

先のオーダーが操作ミスで残っていたみたい。

テーブルの上には、

味玉とチャーシューのトッピング追加のラーメンに

餃子とミニチャーハンセットの

最強の組み合わせが並んでいました。

 

食べました。

「出されたものは仕方がない。喰わねばもったいない」 (立喰師列伝 けつねたぬきの竜 風)

 

ところで、このラーメンですが

スープを残すのは常識でしょうか?

例えば・・・・カレーライスを頼んで

ライスを完食した後、カレーのルーを残すでしょうか?!

そんなハズはありません。

残すとしたら、お腹がいっぱいになってしまった時だけです。

大好きな番組のひとつ「孤独のグルメ」では、

超おいしそうなネギラーメンを・・・

スープをこんなに残して

「ごちそうさまでした」は違うと思うのです。

ラーメンの器の底に

「全部食べてくださってありがとうございます」

そのような文字を見た事がありますが、

がんばって作ったスープを残されてしまう

料理人の苦悩と

完食するお客様への感謝の二つを感じました。

 

 

FPCM(Fuel Pump Control Module)オリジナル6

11.プログラムの適正化による半導体類の発熱の抑制

↑純正FPCMの電気的制御を

オシロスコープによって視覚化した波形です。

一番下のグラフは、

燃料ポンプの回転数のコントロールのためのパルス信号です。

「サメの背びれ」か「ノコギリの刃」のような形状ですが、

このような波形はFETに負担を与えます。

斜めの波形は、スイッチが入る前の待ち時間が長くなってしまい

その間の通電によって無駄な発熱量が増加します。

波形を↓のようにマイコン制御する事で、

FETの発熱を抑制できます。

電子基板では、通電効率、耐久性、熱対策はとても重要です。

プリント配線は通電だけでなく放熱の効果も大きく

発熱の高い半導体チップ取り付け位置

放熱ダクトの設置など複数の設計対策で総合性能が向上します。

 

12.逆起電力への対策

電気の流れで作られた磁力で動力を得るモーターのような回路では

通電オフ時に逆方向への電流が発生します。

モーターやソレノイドのような磁力を利用するオンオフの機器を

電気的には誘導性負荷駆動回路、

発生する逆向きの電流を逆起電力と呼びますが、

これらも電子回路に大きな負担を与えます。

そのため、絶縁ゲートドライバーという回路で、

ゲート端子に電圧をかけ駆動制御を行っています。

FETと同様にそれらの回路も発熱のリスクがありますが、

これらにも基板への取り付け位置やプリント配線、

ダクトの設置で熱対策を行っています。

ニスモポンプなどの純正よりも大容量の燃料ポンプでは

純正よりも逆起電力も大きくなりますが、

逆向きの電気はプラス側に戻す充電の原理と同じ方法で

負荷対策と電気ロス対策も行っています。

 

13.多層基板、肉厚のプリント配線の使用による積極的な放熱の実施

iPhoneなど、最近では一般的になりつつあるのが多層基板です。

従来の基板は一枚の表裏を使用するため

電子部品の設置や配線の通路などのスペース的な制約が発生し、

「交差点十」のようなクロスする回路はショートしますのでNGです。

近接するプリント配線の幅での制約で、

大きな電流量では無理が発生するケースもあります。

しかし、多層であれば都会の地下鉄や地下街のように

交通量の多いところでは上下で通路が並行した構造による対策も可能です。

空きスペースにプリント配線を広げて放熱用ヒートシンクにもできます。

↑基板の一部のX線撮影画像です。

 

使用する電子部品の選別にも大切です。

高耐熱、長寿命の高分子固体コンデンサーを

制御信号には耐ノイズ性を向上させるための絶縁回路では、

耐久性に懸念のあるディップスイッチなどは排除し

スイッチ系はデッドマンスイッチや

一時的な制御によるリレー回路以外では

半導体によるプログラム制御での接点レス構造を採用し、

プリント配線も肉厚で品質の高いタイプを使用しています。

 

14.環境温度検知用センサー

基板に温度検知のためのサーミスターを設置し、

一定温度超過でバイパスリレー100%直結になっています。

基板本体の発熱や外的な加熱に対応し、

高温で制御が難しい非常事態でも

エンジンを停止させないシステムです。

 

15.カプラー部の新型化

最後まで懸案だったのが純正カプラーとの接合部です。

純正と形状を同じにすれば装着には便利ですが、

これまでのFPCMにでの作業時、

黒く焦げているカプラーを何度も目視しているため、

純正では容量不足になる使用環境を懸念し、

大電流タイプの大きな2ピンカプラと

小さな信号用の4ピンカプラの2系列に分け

高性能化とコストダウンを行いました。

 

R’sミーティングで展示の基板です↓

数値変更が可能なプロトタイプ、

この初期型でのテストで量産型の数値が決まりました。

そして、販売用の基板(量産型)です。

 

 

FPCMのオリジナルと販売用の製品では、

ガンダムとジムのような性能差はないですが、

操縦はどちらもアムロ・レイです。

 

価格は税別¥65,000です。

おかげ様で初期分は完売しました。

現在、追加分を最先端の技術で鋭意製作中であります。

常連のお医者さんのお話では、

肝臓を「沈黙の臓器」と言うそうです。

不調に至ってもぎりぎりまで痛みが無く、

気がついた時には重篤な症状に至っている事が多く大切な臓器。

密かに壊れ、エンジンにダメージやストップを発生させる

このFPCMは

なんだかそれに似ている気がします。

すべてのFPCMの事前交換は、

特に年月の経過したBNR32では安全と思われます。

 

お問い合わせは、リオの大西までご連絡ください。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

FPCM(Fuel Pump Control Module)オリジナル5

オリジナルのFPCMでの追加機能の続きです。

8.回路の自己診断機能

9.自己診断で異常を検知した際のデッドマンスイッチ機能

最近では常識的ですが自己診断機能を有しています。

マイコン内のプログラムが自らの故障を発見すると

デッドマンスイッチ機能がリレー回路で電圧確保を行い

エンジンを停止させないようにしています。

デッドマンスイッチは直訳では「死んだ人のスイッチ」です。

不気味な名称のこれは、

運転手が意識を失った操作不能の状態に陥った際、

自動的にブレーキをかけるようなシステムの総称です。

制動のためのブレーキだけではなく

航空機でのパイロットの操作が途切れた場合、

飛行を継続させるような機能もあります。

純正FPCMの故障による突然停止や

希薄燃焼の発生によるエンジンリスクを

オリジナルのFPCMでは抑止するようになっています。

デッドマンスイッチ機能作動時は、

FPCMとしての性能は無くなりモーターは常時全開になりますが

エンジンを停止させない事を最優先させる安全回路は必須で、

本来であれば純正のFPCMがこれを有しているべきだと考えてます。

 

何らかの理由でデッドマンスイッチが常時作動している場合、

通常はエンジン始動前のキーオンで

2.5秒で止まる燃料ポンプの作動音が続きます。

故障と識別する事ができますが、

部品の選別や基盤の構造、プログラム制御などで

耐久性は純正比べ大幅に高くなっていますので

消耗などによる故障が発生するのは純正品より長く、

ずいぶん先になると予想しています。

 

10.純正FETを高容量高耐圧のFETへ変更

↑スイッチ機能を持つ純正FETは発熱による故障が多く

オリジナルのFPCMでは、新型のFETを採用しています↓

一つで純正の4つのFETの仕事をこなし

耐久性を含め、性能は大きく向上しています。

半導体の進化はすばらしく、

先のデッドマンスイッチの故障による発動の可能性は

純正のFPCMで最も多い故障のひとつであるFETの変更で

大きく低減されるはずです。

放熱のためにケースにボルトで取り付ける必要も無く、

初期テストでは約70℃が上限の温度でしたが、

基板やプログラムの対策の追加でより温度を下げる事に成功しています。

 

 

(続きます)

FPCM(Fuel Pump Control Module)オリジナル4

オリジナルのFPCMはマイコン制御のため、

ソフトでの機能の追加や変更が簡単にできるメリットがあり、

以下の機能の追加が可能になりました。

4.エンジン始動時での2.5秒の100%起動から入力信号での減衰動作

5.バッテリー電圧の常時モニター

6.電圧低下の検知でバイパスリレー動作での100%直結

7.正常動作の確認時、通常動作に復帰

 

早速、数台のスカイラインGTRでテストを実施したところ、

半数以上で始動に必要なセルモーターの動作時間が短縮されました。

電気消費の大きいセルモーターは、

動作によって車輛の電圧が10V以下になってしまう事がありますが、

そのような電力不足の状態でも、

純正のFPCMはデューティー制御で燃料ポンプへの電気抑制を行うため、

電力不足に加えての電気制御のため燃料ポンプのパワー不足を発生します。

そのため、エンジン始動に必要な燃圧確保の遅れが

始動までの時間を長くしているわけです。

このような燃料不足での始動不良は

着火できないガソリンをプラグの電極に付着させ

「かぶる」という状態を発生させる事もあり、

新しいプラグに交換しないと再始動できない場合や

燃焼室に溜まったガソリンによるシリンダー内壁の油膜の希釈で

オイルの皮膜を弱らせ、金属表面に傷を入れるリスクもあります。

オリジナルのFPCMでは、

始動時は常時、

それ以外でも電圧のモニターでの一定より低い電圧では、

リレー回路で制御をバイパスし、

バッテリー電圧をそのまま供給する方式を採用しています。

始動時はリレー回路で燃料ポンプを2.5秒動作させ、

電圧の安定が確認されると

ゆっくりとデューティー制御を復帰させるようになっています。

急激な切り替えでは、

想定外の逆方向への大きな電気(逆起電力)を発生させ

電子部品へのリスクを高めます。

「ゆっくり」は、このような場合ではとても重要な動作です。

常時稼働の電圧モニターの機能は

それ以外でのトラブル等で電圧が下がった場合も同様に

リレー回路で電気を燃料ポンプに直接与えるようになっています。

 

 

(続きます)

 

FPCM(Fuel Pump Control Module)オリジナル3

「マイコン制御」のスーパーサイヤ人、

ドリフトが得意だった若かりし頃、

高額で購入できなかったスカイラインGTR、

「憧れだった車に関われるのが楽しい!」

今は某大手で電子回路の設計などに携わる

最高のエンジニアさんとの出会いがありました。

会話をするだけでこちらのステイタスまで上がる感じで

人生とは人間関係の連続だと実感しました。

ラッキーです。

 

そして、

完成したテスト用の試作モデルです。↓

中央のモニターにはエンジン動作時、

制御のデューティー値などが表示されるようになっています。

 

R’sミーティングでは動作を目視予定でしたが、

展示車両のエンジン始動禁止ルールで、

ただ、トランクに置いただけ状態でした・・・・。

悲しいです・・・・。

ですが、このテスト機の登場で

燃料ポンプの制御の数値変化で

始動性や中間領域での走行性能にも

体感レベルで違う事が分かりました。

そこで、オリジナルのFPCMでは

それらの数値も加えて開発する流れになりましたが、

マイコン制御を基本にした事で、数値変更が安易になり

都度、半導体やコンデンサーやレジスターなど

従来の方法では必要だった

基板への熱ダメージも含めた入れ替えなどの作業の

省略ができるようになりました。

 

 

最初に、燃料ポンプの制御値について

1.アイドリング時を含め燃料ポンプの低い回転数でのデューティ値の見直し

2.中回転域でのデューティー値の見直し

3.高回転域でのデューティー値の見直し

テスト機にだけ備わっている変更機能を使い、

エンジンの始動性能や、中速域、高速域での空燃比の安定とトルクなど

数値変更による走行テストを繰り返し行いました。

テスト機の基板右上の拡大画像です。

燃料ポンプの作動制御プログラムを簡単に変更できるスイッチ機能は、

超便利です。

 

(続きます)

 

FPCM(Fuel Pump Control Module)オリジナル2

デューティー制御は、電気のオンオフの繰り返しにより

全体の時間に対してのオンの時間の割合(%)で通電を抑える方法です

上の図での、Tに対してHの時間が長いほど

燃料ポンプの回転数は上がります。

平成元年に登場したBNR32の燃料ポンプにPWM制御が採用されたのは、

日産のスカイラインGTRに対しての意気込みが感じられます。

制御部品名はFPCM(Fuel Pump Control Module)です。

エンジン制御コンピューター(ECU)の2つの指示信号で

強中弱の3種類のデューティー値が選択され

燃料ポンプの回転数の調整を行っています。

しかし、近年、BNR32のエンジンが突然停止し、

その原因がFPCMにある事例が明らかに増加しています。

ECUのプログラムセッティング中、

空燃比計の数値が、回転数、ブースト圧、アクセル開度、など同じ状況で、

異なる空燃比が交互に現れるような状態では、

当初、その原因が分からず、

しかし、そのような状態のスカイラインGTRの数台では、

その後日にエンジンが完全に停止し、

通電テスト等により、

FPCMの故障が、エンジン停止に関係している事が判明しています。

FPCMは、燃料ポンプを高中低の3段階の回転数に制御していますが

意外と多い故障に、中中低の不可思議な状態があります。

この場合、高回転ではガス冷却が不足し、

リスクの高い高温燃焼に至っている可能性がありますが

ドライバーにはその識別が難しく

純正よりも速くなっているケースもあります。

「壊れる前のエンジンは速い」という言葉がありますが

この燃焼温度とリスクの関連性に起因しているように思われます。

もし、中途半端なFPCMの故障が継続していれば、

ガス冷却が効かない希薄燃焼でエンジン内部が融解するリスクが高く、

発売当時としては、卓越した性能のFPCMですが

今となっては逆にハイリスクな内なる部品になりつつあります。

すでに生産が中止されていた今は、

FPCM本体の延命、温存のため、

コンデンサーや抵抗を交換し故障を抑制する手法で対応していましたが、

正常に動く個体が減少し、オークションなどでの中古市場の出品数も減り、

価格は上がり、

「良品」と表記されていても

それらが正常であるかの判別も難しく、

そこで、代替品の製作を考えるようになりました。

 

BNR34の純正FPCMです。↓

リアシートの後側に取り付けられています。

内部の画像です。↓

故障したFPCMの内部を確認しても

その原因は目視では分からないケースが多いですが、

明らかに「これ!」と分かる時は、黄色の〇の部品の損傷です。

画像では分かりにくいのですが、

小さなボルトでケースの内側に押さえつけるように固定されている部品は

FETと呼ばれるスイッチの仕事をする半導体で、

これが焦げて白色化している故障は多く、

そのような基板の画像があると分かりやすいのですが、

すべて処分してしまいました。

まさかこのような事態になるとは思わなかったもので、

ちょっと残念です。

 

FETの画像です。↓

 

FETはトランジスタの一種です。

性質の違う半導体が組み合わされた構造で

電気信号で動くスイッチとして使用されています。

デューティー制御による1秒間に1000の超高速では、

リレーのような機械的なスイッチでの対応ができないため、

このような半導体によるスイッチングを行いますが

大きな問題がオンオフで発生する温度です。

画像の黄色の〇のFETが、

内壁に押さえつけるように固定されいる理由は放熱ですが、

ボルトが緩んでケースとの間に隙間ができてしまうと、

短時間で白煙を上げ壊れてしまいます。

 

平成元年に登場したBNR32へのデューティー制御の採用に、

「先端技術」と表現しましたが、

コストを無視すれば「最先端」では無かったようです。

FPCMの基盤に使われている複数の制御回路半導体部品は、

それぞれの特性をパズルのように組み合わせることで、

要求される動作を行えるユニットとして完成しています。

しかし、同じ時期、

エンジンを制御するコンピューター(ECU)に採用されていた

プログラムをパソコン等から入力できる半導体を使用していれば

もっとシンプルに制御ができていたはずです。

しかし、それが使われなかった理由の一つはおそらくコストです。

 

FPCMのコンデンサー、レジスター類を新型に入れ替える事での

耐久性の向上が目的としたミルスペックでした。

↑純正のFPCM基板

 

↑ミルスペック化したFPCM基板

 

故障の多いコンデンサー類と

熱損傷の激しいレジスターが高性能化されています。

しかし現状では、ベースになる正常な純正FPCMが不足の状態です。

そこで、制御のための半導体などを現代の製品に置き換えた

オリジナルのFPCMの製作を目指しました。

 

最も必要な性能は安定した動作と耐久性です。

自動車で使用できる条件として、120℃の温度に耐えられる部品の選別、

振動や湿度への強さは大前提です。

アテーサE-TSの製品化でお世話になった電子関係の知識の山の

「いつもの人」の助力は必須で、

「純正回路の現在バージョン化」からスタートでしたが、

市販の制御用半導体を組み合わせで複雑化した基板では、

ハンダの割れなどによる故障リスクは長期的には低減が難しく、

FETの発熱対策、設計の更なるシンプルを求め、

「これって、マイコンで制御した方がいろいろと高性能だよね・・・」の一言から、

制御方法には、まったく異なる新型の開発に方向性が変わりました。

 

 

(続きます・・・)

FPCM(Fuel Pump Control Module) オリジナル1

オリジナルのFPCMのご説明です。

いつものように余談と脱線も交えて長くなりそうですが

ご一読、よろしくお願いいたします。


日産が生産を中止した後、故障が増え、

部品調達にとても困っている部品の1つがFPCMです。

FPCMは、(Fuel Pump Control Module)のイニシャルを連ねた名称で、

直訳は「燃料ポンプを制御する部品」です。

 

RB26DETT系の燃料ポンプはガソリンタンク内に固定されています。

燃料によるポンプの冷却、燃料の重さ(水圧)を圧送に利用し、

タンク外で発生する泥や錆によるポンプへのダメージを抑える効果もあります。

スカイラインGTRやステージア260RSでは、

イグニッションONで、車両後方から2種類のモーター音が聞こえます。

1つはアテーサE-TSのモーター音です。

車両と状態による個体差はありますが、

アテーサ駆動のための油圧が3.8Mpsに達するまで2~5秒間続きます。

もう1つは燃料ポンプです。

イグニッションキーONから約3秒、

ECU(エンジン制御コンピューター)の信号で動くように設定されています。

ポンプがガソリンタンクから燃料を圧送し、

フューエルインジェクターまでに圧力を貯める動作を行っています。

 

ECUからの信号で動作した燃料ポンプリレーから

燃料ポンプのプラス側に電気が送られます。

同時に燃料ポンプのマイナス側では

FPCMが回転数を制御しています。

つまりFPCMは、電気の流れを邪魔し

モーターの回転数を抑えている事になります。

燃料の流れは、

燃料ポンプ(ガソリンタンク内)⇒

燃料フィルター⇒

インジェクター(6個)⇒

レギュレーター⇒

ガソリンタンクに戻ります。

インジェクターの使用量より多くのガソリンが供給され、

使われなかった燃料は、ガソリンタンクに戻る部分的な循環構造は、

燃料の通過により熱をガソリンタンクに運び

インジェクター関連を冷却する効果もあります。

エンジン上部にあるインジェクターなどの部品類は過熱されやすく、

特に燃料パイプは、モータースポーツなどでの激しい使用では、

液体である燃料が噴射前に沸騰し、

気化した状態でインジェクターから噴射されると

燃料不足による始動不良や失火、

希薄燃焼でのエンジンブローに至るケースもあります。

しかし、この冷却工程は、望ましくない面もあります。

燃料がエンジンルーム内の熱ガソリンタンクへリターン工程で運ぶ事で、

タンク内の温度を上昇させてしまい、

加熱によって膨張したガソリンは、同じ体積での分子の数が下がるため、

インジェクターから噴射された燃料の実質的な量を減少させてしまいます。

密閉されたシリンダー(燃焼室)内では、

酸素の量によって、燃焼できるガソリンに制限がありますが、

燃焼できないガソリンを意図的に増やし、

余ったガソリンが気化熱でシリンダー内の温度を奪い、

バルブやピストンなどの金属部品を熱融解から守る「ガス冷却」が行われています。

ROMセッティングでは、

この燃焼温度の管理がプログラムの数値を決める重要な条件の一つですが、

冷却を優先させて燃料を増やし過ぎると、

燃焼温度が下がり過ぎ、パワーと燃費を低下させてしまう逆もあります。

インジェクターは水道の蛇口と同じで、

燃料の通路の開閉を行っているだけで、

インジェクター本体に燃料を噴射させる能力は無く、

燃料の圧力によって噴射量が変化するため、

圧力を作る燃料ポンプの正常な動作は、

エンジンのトルクや耐久性に大きく影響する事になります。

 

燃料の必要量は、エンジン回転数や過給圧などによって変化します。

回転数が低く空気が少ない負圧状態のアイドリングでは、

必要量が少ないのため、

燃料ポンプの回転数を低く調整するようになっています。

ポンプの回転制御による効果として、

ガソリンタンク内の温度上昇の抑制は先の通りですが、

燃料ポンプの回転部品の消耗を抑える効果もあります。

「キーオンで始まるウィーーーンの音が良いのだ!」

バッテリー直配線でのアイドリング時からポンプが全開の状態に、

そのようなマニアなご意見もありますが、

高出力が連続する競技の世界以外では、

耐久性や熱抑制のための静かな低い回転も良いものです。

 

燃料ポンプの回転制御で最もシンプルな方法は

電気抵抗器(レジスター)です。

モーターのマイナス側にレジスターを直列に接続し、

通電を妨げてモーターの回転を落とす方法はシルビアで採用されています。

アイドリング時を含めた低いエンジン回転域では抵抗が入り、

高回転時、回路が切り替わり直通状態(レジスター無し)になります。

シンプルで故障が少ない構造ですが、

レジスターからの発熱はエネルギーの損失である事と

2段階での制御の難しさがあり、

燃料ポンプ制御のレジスターの切り替えでのトルクダウンに対して、

モータースポーツでは、レジスターを取り外しカプラーを直結、

フューエルポンプを常時全開にする手法が流行りました。

しかし、先の理由からポンプへの負担は大きく、

ガソリンタンクの熱対策も合わせ、

できれば3段階、そして滑らかな回転数の移行を目指した手法が

スカイラインGTRで採用された「デューティー制御」です。

 

昔の扇風機、3段階スイッチの「ガチャ」の感触は、

若者の皆さんはご存知ないかも知れませんが・・・

機械的に強中弱に切り替わる扇風機のスイッチは

幼少期では「強」一択でした。

暑い夏、エアコンが無い時代に「弱」など無意味です。

ところで、扇風機の「強」のボタンを押した状態で、

スイッチ、羽根に触らず回転数を落とすにはどのような方法があるでしょうか?

小学生の頃、扇風機と扇風機を向かい合わせに置き、

双方から強風を当て戦わせた事がありました。

ずっと続けていると片方の扇風機の回転が弱まり、

円筒形のモーター部分が熱くなり動かなくなりました。

壊れたのです・・・・。

父親は爆笑、母親は激怒、遠い昔の辛い辛い記憶です。

そして、幼少の頃の野蛮な方法以外で

回転を制御する方法として「コンセントの抜き差し」があります。

こっちもちょっと野蛮ですが・・・・。

一定時間内での抜き差しで、

コンセントを差し込んだ時間の割合が多いほど

扇風機の羽の回転数は上がります。

これがデューティー制御のとても乱暴な説明です。

この制御方式は専門用語ではPWM制御と言います。(Pulse Width Modulation)。

 

 

(続きます)

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